今回はOS X El Capitan(エル・キャピタン)を初期化(クリーンインストール)する方法をご紹介します。
Macを初期化(クリーンインストール)ってどんな時に必要?
Macを使っていると、調子が悪くなったり、他人に譲渡・売却するときに、OSを初期化・再インストールすることがあります。今回は「OS X El Capitan」を初期化する方法をご紹介します。
Macを初期化しなければならない場面はいくつかありますが、具体的には以下のような状況になった時に必要となることがあります。
- 起動時に禁止サインが表示される
- Mac購入時に搭載されていたバージョンのOSよりも古いバージョンを誤ってインストールしてしまった
- 標準的なメンテナンスを実施してもMacの調子が悪い時
- Macを他人に譲渡・売却する時
またOSを初期化する方法にもいくつかパターンがあって、TimeMachine バックアップから復元する方法や、インストールディスクを使って「OS X」を再インストールする方法などもありますが、今回はWi-Fiネットワーク経由でOSを工場出荷時の状態に初期化する方法を解説します。
ちなみにインストールディスクで初期化するときは、以下の記事でインストールディスクの作り方を解説していますので、是非参考にしてください。
OS X El Capitan を初期化する前の準備
まず「OS X El Capitan」を初期化する前に実施しておきたい作業を済ませておきましょう。初期化前に実施しておきたい作業は以下の5つです。
1.「iTunes Store」の認証を解除する
▼まず最初に「iTunes Store」の認証を解除します。「iTunes」>「Store」>「このコンピュータの認証を解除」の順にクリックします。

2.iCloudの「Macを探す」をオフにしてサインアウトする
▼つぎに「iCloud」の「Macを探す」をオフにしてからサインアウトします。「システム環境設定」>「iCloud」の順にクリックします。

▼「Macを探す」のチェックを外し、「サインアウト」ボタンをクリックしましょう。

3.マイサポートプロフィールに登録したコンピュータを削除
▼Macを購入するとその履歴が「マイサポートプロファイル」に登録されているので削除する必要があります。「Apple - サポート - マイサポートプロファイルへようこそ」にサインインし、初期化するMacの横にある半透明の矢印アイコンをクリックします。

▼シリアル番号の下にある「製品の削除」ボタンをクリックすればOKです。

4.iMessage(メッセージ)アプリをサインアウトする
▼Apple純正の「メッセージ」アプリからサインアウトします。「メッセージ」>「環境設定」の順にクリックします。

▼該当するアカウントを選択し「サインアウト」ボタンをクリックしましょう。

5.Mac内の重要なデータをバックアップする
Macを初期化する前には必ず重要なデータをバックアップすることが大切です。
「TimeMachine」を使ってMac丸ごと全部をバックアップしても良いですし、そこまでする必要がない場合は重要なデータだけを外付けハードディスクもしくはクラウドストレージサービス(Dropboxなど)にアップロードしておくことをおすすめします。
詳しい操作方法は以下の記事でも解説していますので、是非参考にしてください。
source:Mac を売却または譲渡する前に - Apple サポート
OS X El Capitan(エル・キャピタン)を初期化する方法
以上の作業を済ませたら「OS X El Capitan(エル・キャピタン)」を初期化します。まずMacを「システム終了」させて電源をオフにします。
▼つぎにキーボード上にある「command(コマンド)」キーと「R」を同時に押しながら電源をオンにします。

▲「command(コマンド)」キーと「R」キーは「OS X ユーティリティ」が表示されるまでずっと押しっぱなしにしましょう。
▼つぎに「ディスクユーティリティ」を選択し「続ける」ボタンをクリックします。

▼左サイドバーにある初期化するハードドライブを選択し「消去」ボタンをクリックします。

▲ちなみに「OS X Yosemite」以前であれば、「セキュリティオプション」を利用し他人にデータを復元させないようにすることができましたが、「OS X El Capitan」をインストールしたSSD ドライブ搭載のMacでは「セキュリティオプション」を選択することができなくなりました。
この「セキュリティオプション」を使うことでハードディスク消去時にゼロ書き込みを実行し、データの復元を困難にさせることが出来たのですが、AppleによればSSD搭載のMacであれば標準の「消去」だけでもデータを復元することは困難とのことで、通常のハードディスク「消去」だけでも問題ないそうです。
OS X Lion v10.7 以降および SSD ドライブ搭載の Mac のディスクユーティリティでは、「確実な消去オプション」および「空き領域を消去」を利用できません。
これらのオプションは SSD には必要ありません。標準的な消去を行えば、SSD からデータを復元することは困難になるためです。
引用元:ハードウェアの修理時に部外秘データを保護する - Apple サポート
▲つぎに【フォーマット】は「OS X 拡張(ジャーナリング)」を選択して「消去」します。

▼ハードディスクの消去が終了したら「完了」ボタンをクリックします。

▼メニューバーにある「Wi-Fi」アイコンをクリックし、Wi-Fiネットワークに接続します。

▼Wi-Fiに接続したら「ディスクユーティリティ」の画面左上にある赤いボタンをクリックしてウィンドウを閉じましょう。

▼これで「OS X ユーティリティ」のメイン画面に戻ります。続けて「OS X を再インストール」を選択します。

▼「続ける」ボタンをクリックします。

▼ OS X 復元のための適格性検証のため「続ける」ボタンをクリックします。

▼ソフトウェアの使用許諾契約の条項を読み「同意する」ボタンをクリックします。

▼もう一度「同意する」ボタンをクリックします。

▼ハードディスクアイコンを選択し「インストール」ボタンをクリックします。

▼「Apple ID」のメールアドレスとパスワードを入力してサインインします。

▼「APple ID」に2ステップ確認を有効にしている場合、信頼するデバイスに4ケタの暗証番号を送信します。

▼信頼するデバイスで受け取った4ケタの数字を入力し「確認」ボタンをクリックします。

▼これで「OS X E; Capitan」の再インストールが開始されます。

▼「OS X El Capitan」の再インストール後、「ようこそ」画面が表示されます。Macを初期化後、他人に売却・譲渡する場合は「ようこそ」画面で「command(コマンド)」キーと「Q」キーを同時に押します。

▼「コンピュータをシステム終了してもよろしいですか?」と尋ねられるので「システム終了」ボタンをクリックします。

一方、他人に売却・譲渡せずにそのまま自分で使用する場合は、「ようこそ」画面で必要な情報を入力し、再度セットアップしていけば大丈夫です。
あとがき
「OS X El Capitan」の初期化作業は、「OS X Yosemite」の初期化作業と大きな変更点はありませんが、 初期化前に「iCloud」の「Macを探す」をオフにしてサインアウトすること、また「iMessage(メッセージ」のサインアウトは忘れずに済ませておく必要があります(その他の作業は初期化後にもできます)。
また「OS X El Capitan」では標準の初期化作業で、ハードディスク消去時の「セキュリティオプション」を使用することができませんが(ターミナルを使えば可能です)、SSD搭載のMacであればデータの復元は困難なのでゼロ消去しなくてもあまり心配しなくても良さそうです。
「OS X El Capitan」を初期化するときは、是非参考にしてくださいね。
ちなみに「OS X Mavericks」「OS X Yosemite」を初期化したいときは以下の記事も参考にしてください。